男と女のマーケティング

今では男性の脳と女性の脳は医学的にも違いが認められています。当然そうなると、商品の購買意思決定には大きな違いがでてきます。すなわち、男女ではものを買うときの決め手が違うわけです。それを証明するかのように、昔、テレビで幼稚園児を5,6人の男の子のグループ、女の子のグループに分けて次のような実験が行われました。

実験1:それぞれ、ホールのショートケーキを準備し別々の部屋で各自、自分たちで切って食べさせます。女の子達は「~ちゃんのおいしそう」「~ちゃんのイチゴが大きくておいしそう」とお互い褒め合い、おいしさを共感しながら食べるのに対し、男の子達は「おまえのほうが大きい、ずるい」「俺のイチゴが一番大きい」と勝負や大きさにこだわった会話が、そして挙句の果てに「俺のケーキが一番おいしい」と・・・・同じケーキだというのに。

実験 2:それぞれの部屋に男の子は乗物のおもちゃ(電車、車、飛行機)、女の子達は人形のおもちゃを準備し遊ばせます。女の子達は人形を使ってのままごと。男の子達は乗物を動かして遊びます。そしておもちゃはそのままにして部屋だけチェンジすると、女の子達は乗物を動かすというよりは色別、形別に並べたり、並べ替えたりして遊び、男の子達は、初めはままごとですが、人形を車のように床を滑らせ、速さを競い合います。そして誰かが投げるように動かし、最後は飛行機のように投げて、壁にぶつけて、人形が壊れれば大きな笑いが・・・・。

人はこの幼稚園児の性格というか行動が、そのまま変わらずに、成長し年老いていきます。いくつになっても男である以上、女である以上、根本はこの幼稚園児と変わらないわけです。そしてここで見えてくるキーワードは、男性は勝負、スペック、大きい、強い、自慢できる。女性は共感、共有、幸せ、美しい、褒められるが浮かび上がってきます。
車やお酒のテレビCMの変遷を見と、メーカーが誰をターゲットにしているかが良く分かります。車で言えば、昔はスペック中心で速さ、馬力、カッコ良さでした。お酒も粋さ加減、カッコよさがアピールされていました。今の車のCMは、みんなで幸せ、便利、使いやすさ、車の重要事項と考えるスペックは一切出てきません。お酒に関しても女性が前面に出て、楽しさや、にぎやかさを打ち出しています。男性(旦那)から、車やお酒の購買決定権が女性(奥様)に移った表れでしょう。
このようなキーワードの違いは男性雑誌、女性雑誌の表紙を見れば良く分かります。それぞれ注意を引く違ったキーワードの見出しが書かれています。本屋に行けば、男性は女性誌売場へ、女性は男性誌売場へ足を運んでみてください。そして、男性の方は、奥さまや彼女の買物にめんどくさがらずじっくり付き合ってみれば、女性の商品購買意思決定プロセスが少しは分かるかもしれません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です